「骨太ショック」、金利上昇止まらず=財政悪化・利上げ遅れ懸念―政府が文言修正



政府が6月末に示した経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」の原案が、長期金利の上昇に拍車を掛けている。高市早苗首相が積極財政と金融緩和を重視しているためで、財政悪化に加え、日銀の利上げが遅れて物価高騰を招くとの懸念が広がった。「骨太ショック」による金利上昇は、政府・日銀の政策運営に対する市場の不信感の表れだと言えそうで、政府は文言を一部修正。市場に配慮を見せた。

長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りは8日、一時2.870%に上昇(債券価格は下落)した。日本相互証券によると1997年5月以来、約29年ぶりの高水準で、3%の大台も目前に迫る。長期金利の上昇は、企業が設備投資を抑制するなどの形で景気を冷やしかねない。

政府は骨太の原案に、「強い経済」の実現に向けて日銀による「適切な金融政策運営が行われることも非常に重要だ」と明記した。市場は「利上げに対する政府のけん制」と反応。「財政健全化」の文言もなくなり、国債売却の動きが加速した。

城内実経済財政担当相は7日の記者会見で、市場の反応について「原案の趣旨と異なる受け止めで、誤解だ」と強調。「政府が低金利誘導を促しているとの報道もあるが、そのような事実は全くない」と反論した。

金利上昇に歯止めがかからない中、政府は7日、日銀の金融政策を巡る記述を一部見直した骨太の修正案を与党に提示した。「適切な金融政策運営」を求める記述に、「『安定的な物価上昇』の実現に資する」との文言を追加。市場で広がった「利上げけん制」とのイメージを緩和する狙いとみられる。

財政悪化は通貨の信用低下から円安進行にもつながりやすく、インフレ圧力を強める恐れがある。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「政府は(金利上昇という)市場の警鐘に耳を傾け、信認を十分に得る財政運営を心掛ける必要がある」と指摘する。

〔写真説明〕6月30日、首相官邸で開かれた経済財政諮問会議。右から2人目は発言する高市早苗首相

2026年07月08日 20時44分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース