
社会保障国民会議の中間取りまとめでは、所得に連動した給付制度を2029年度に本格導入する方針が盛り込まれた。働く中低所得者の税・社会保険料の負担軽減を目的とするが、実務者会議では、野党側から給付対象となる年収に達しない人への対応を求める声が続出。議論の終盤でこうした人にも別途、支援を講じる方向性が盛り込まれ、具体的な制度設計が今後の課題となる。
所得連動給付は、一定以上の勤労性所得がある人が対象。当初段階では社会保険料の負担が生じる年収約106万円超と、給与所得控除を差し引いた所得がゼロとなる年収74万円超を基準の候補としていた。
ただ、27~28年度の2年間限定で行う食料品消費税の減税は、低所得者を含め幅広く恩恵が及ぶ。この措置が終了すると、例えば病気や障害で働きたくても働けない給付対象外の人には支援がなくなる格好で、野党側は「税率を戻した時に増税になる」などと「反動」への配慮を訴えた。
このため、中間取りまとめでは低所得者への言及が大幅に増加。基準の候補に雇用保険の適用が始まる年収約53万円超を追加し、給付対象を広げる余地が残った。対象外の人向けには、生活保護や生活困窮者自立支援制度で行う現金給付の強化などと「相談・就労支援」の一体的な実施を提案し、国民年金や国民健康保険の減免拡充にも触れた。
給付対象外となる層に対し、可能な支援は「29年度から実施できるよう結論を得る」とされた。ただ、「支援内容の詳細はまだ検討されていない」(内閣官房の担当者)状況。今後の議論の進め方も明確になっておらず、具体化の道筋は見えていない。
〔写真説明〕超党派の社会保障国民会議の実務者会議=27日、国会内
2026年07月30日 07時05分