
【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は29日、連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策を協議し、政策金利を3.50~3.75%に5会合連続で据え置くことを決めた。労働市場は底堅く推移する一方、中東情勢悪化による原油価格高騰が物価を押し上げるが、ひとまず様子見を続ける。
決定は賛成多数。ただ、物価高の長期化を警戒するダラス連邦準備銀行のローガン総裁ら地区連銀総裁3人が今会合での0.25%利上げを主張し、反対票を投じた。
ウォーシュ議長はFOMC後の記者会見で、「物価安定」の重要性に繰り返し言及。インフレ高進リスクを念頭に「必要かつ適切な場合、行動をためらわない」と述べ、利上げの可能性を排除しない姿勢を打ち出した。
一方、FRBが目指す雇用最大化に関しては「われわれは大変よくやっている」と強調。先行き不透明感が強い中でも「経済は驚くほど底堅い」と述べ、楽観的な見方を示した。
FOMC声明では「経済活動は堅調なペースで拡大している」とされたが、エネルギー高など供給ショックの影響で「インフレは高いままだ」との懸念が示された。
直近6月の米消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比3.5%と、原油安を受け、前月の4.2%から急減速した。ただ、7月に入って米国とイランの軍事攻撃応酬や戦闘停止といった中東情勢に左右され、原油価格は乱高下。米イランの戦闘終結に向けた協議の行方は読めず、原油輸送の要衝ホルムズ海峡における航行正常化は見通せない。
FRBのインフレ率2%の目標は5年以上も未達だ。人工知能(AI)普及に欠かせないデータセンターへの投資拡大に伴う半導体などの需要急増も相まって、インフレ圧力増大への警戒感がくすぶる。エネルギー高が続けば、FRB内で利上げを求める声がさらに強まる可能性もある。
〔写真説明〕6月17日、米ワシントンの連邦準備制度理事会(FRB)本部で記者会見するケビン・ウォーシュ議長(AFP時事)
2026年07月30日 07時51分