
重要鉱物の有力産地アフリカで、自国での資源管理を求める声が強まっている。技術革新に不可欠な重要鉱物の確保を日米欧や中国などが競う中、自国の産業化に資源を活用できなければ、経済的な自立を果たせないとの危機感は根強い。日本のスタートアップ(新興企業)がアフリカ諸国の資源管理を支援する動きもある。
「管理が十分にできなければ、資源を手にする有力者ばかりが富み、アフリカは苦しみ続ける」。全アフリカ・アフリカ学会のカファヒレ会長は時事通信の取材に対し、世界的な重要鉱物「争奪戦」を「チャンス」としつつも、不安を隠さなかった。
カファヒレ氏の出身国コンゴ(旧ザイール)は、電気自動車(EV)やスマートフォンの電池に使われるコバルトの生産で世界シェアの7割を占める。しかし、大半がほぼ原料のまま中国に輸出され、当地で最終的な精錬が行われる。供給網は中国勢が事実上握る。
コンゴは東部国境地域に紛争を抱え、治安は不安定だ。一方、資源は遠隔地に偏在。コバルトの産地では、違法採掘や児童就労といった問題が絶えない。
人工知能(AI)による衛星データ解析・情報サービスを手掛けるスタートアップ「Solafune」(ソラフネ、東京都千代田区)は2025年、コンゴと鉱物資源に関する覚書を締結。衛星データとAIを活用し、資源管理の透明性向上や探査で協力している。
同社の湯川隆臣事業開発部門長は「(鉱山は)へき地にあって規模が大きく、衛星データが有効だ」と指摘。違法採掘対策や埋蔵資源に関する情報の更新は「アフリカの大半の国が課題としている」と話した。ザンビアやガーナなど他のアフリカ諸国とも資源管理で提携しているという。
コンゴに関しては、トランプ米大統領が東部の紛争の仲介に乗り出すなど、米国も関与に意欲を示す。ただ、カファヒレ氏は「自分の富を守るのは米国や中国ではなく、われわれの責任だ」と訴えた。
〔写真説明〕取材に応じる全アフリカ・アフリカ学会のトゥーサン・カファヒレ会長=7月9日、東京都千代田区
〔写真説明〕コンゴの銅・コバルト鉱山で働く作業員=2023年6月(AFP時事)
2026年08月23日 19時01分