国産LNG船、30年めど建造=休眠ドック再生、年3~5隻体制へ



2019年を最後に国内での建造が途絶えている液化天然ガス(LNG)運搬船について、政府と造船業界が30年前後に建造を再開する方向で調整に入ったことが27日、分かった。現在休眠中のドックを再生し、第1弾となる「1番船」の建造を開始する。また、別の造船所に最新鋭の専用ドックを新たに建設し、38年以降に国内で安定的に年3~5隻を建造する体制を官民で整える。

政府は、造船会社に対し、LNG運搬船建造の設備投資や研究開発費の支援を行う一方、海運会社や荷主にも割高な国産LNG船の購入資金を支援する考えだ。LNG船は中韓との価格競争の結果、国内勢が撤退した経緯があり、建造と発注双方の採算性を確保するため、38年まで支援を継続する。

発電燃料や都市ガスに使うLNGを巡っては、経済安全保障の観点から、輸送手段の確保に向けた国産LNG船建造の議論が官民で進んでいた。すでに国内最大手の今治造船(愛媛県今治市)、川崎重工業、名村造船所の3社が「自立的な建造体制の確立を目指す」と表明。場所には、川崎重工業の坂出工場(香川県坂出市)のほか、名村造船所の伊万里事業所(佐賀県伊万里市)付近が浮上している。

また、海外への依存が課題となっている船舶修繕所に関し、官民で約3200億円規模となる国内事業所への投資計画も判明した。ドックの機能強化や人工知能(AI)の活用などを通じ、35年をめどに国内の修繕能力を引き上げる。

〔写真説明〕川崎重工業が建造した「モス型」の液化天然ガス(LNG)運搬船(同社提供)

2026年10月28日 11時22分


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