
ニデックの上場維持を認めるかどうか、日本取引所自主規制法人は今後、数カ月かけて審査する。財務諸表に監査法人の「適正意見」が付されていない状態での審査開始となり、先行きは予断を許さない。創業者の永守重信氏に物言えなかった経営から脱却したと判断できるかどうかが焦点だ。
自主規制法人は昨年10月、ニデックを特別注意銘柄に指定した。ニデックが提出した有価証券報告書に「意見不表明」の監査報告書が付けられており、内部管理体制などについて改善の必要性が高いと判断したためだ。
ニデックは今年9月に社長を交代させ、今月27日には永守氏ら歴代社長を含む9人に対する損害賠償訴訟を起こす方針を公表するなど「永守体制」と決別する姿勢を示している。しかし、先月提出した有価証券報告書も「意見不表明」との監査意見で、同社に対する外部の目は厳しいままだ。
自主規制法人はニデックから提出される内部管理体制確認書に基づき、内部管理体制を審査する。適切に整備・運用されていれば特別注意銘柄の指定を解除するが、問題があれば確認書を再提出させて審査を継続したり、上場廃止を判断したりする可能性もある。
企業統治や会計監査に詳しい青山学院大の八田進二名誉教授は審査について「永守色からの脱却がポイントだ」との見方を示した。その上で、市場の信頼性の観点から「監査意見が2年も出ない企業の上場を継続するには正当な理由が必要だ」とも指摘した。
〔写真説明〕ニデック本社=京都市南区
2026年10月29日 12時44分