
【ロンドン時事】英国で20日に新首相に就任するバーナム氏は、格差是正や経済活性化のため首都機能の一部移転を提唱しており、英国版「副首都構想」とも言える脱中央集権化の試みが注目を集めている。外交では、欧州連合(EU)との関係強化や北大西洋条約機構(NATO)の積極関与を主張。ロシアの侵攻を受けるウクライナ支援を主導するなどした前任のスターマー氏の路線を踏襲しつつ、欧州のけん引役として存在感の発揮を狙う。
バーナム氏は首都ロンドンに偏りがちな資金や人の流れを変えるため、首都機能の一部を自身が市長を務めたマンチェスターに移転すると提案。首相官邸のあるロンドンのダウニング街10番地をもじり、首都の北約260キロの地に「北の10番地」を創設する考えで、新政権の目玉政策となる見込みだ。水道やエネルギーといった分野の公的管理強化や税制・選挙制度改革なども訴えている。
外交政策では、EUとの「一層近い関係」を目指すとしている。スターマー氏は離脱したEUとの関係再構築を掲げたが、バーナム氏はより踏み込んだ親EU路線を取っていく方針。ただ、国民投票のやり直しは否定している。
米国については「安全保障・防衛上の最重要同盟国」との位置付けは変わらず、トランプ政権と関係維持を図る。だが、スターマー政権時代は移民政策や対イラン攻撃を巡る見解の隔たりから米英関係は極度に冷え込んだ。穏健左派のバーナム氏は米国でほとんど知名度がなく、癖の強いトランプ氏との関係構築で手腕が試される。
対日関係では、マンチェスター市長だった2025年に訪日。大阪・関西万博を視察し、同年のマンチェスターと大阪市の姉妹都市提携を主導した。同年9月には「ジャパン・ウィーク」をマンチェスターで開き、文化・経済交流促進に努めた。
〔写真説明〕英国のバーナム氏=6月29日、イギリス・マンチェスター(AFP時事)
2026年07月20日 12時45分