原子力規制委員会の伴信彦委員(62)が18日、10年間の任期を終え退任した。記者会見で伴氏は「他の委員との議論や原発立地地域での意見交換、意見募集のコメントなどに勉強させてもらった」と振り返り、「非常に重い職務で、濃密な10年間を過ごした」と述べた。
伴氏は2021年にテロ対策の不備で事実上の運転禁止命令を受けた東京電力柏崎刈羽原発で、追加検査のチームを率いた。当時について「検査の状況を逐一把握していたため、命令解除などの判断に迷いはなかった」と述べた上で、東電に対し「問題点を把握して変わろうとしているが、組織文化は根深いものがある。油断せず改善を続けてほしい」と注文を付けた。
規制委について「変わる時代に柔軟に対応する必要はあるが、安全規制に集中しなければならない」と強調。「委員の間で建設的に議論し、より良い結論に導くことを実践する組織であってほしい」と期待を込めた。
〔写真説明〕退任会見する原子力規制委員会の伴信彦委員=18日午後、東京都港区
2025年09月18日 19時11分