名張毒ぶどう酒、11次再審請求=「農薬混入機会、他にも」―名古屋高裁



三重県名張市で1961年に女性5人が死亡した名張毒ぶどう酒事件で、殺人罪などで死刑確定後に病死した奥西勝・元死刑囚=当時(89)=の妹、岡美代子さん(96)らが22日、名古屋高裁に第11次再審請求を申し立てた。弁護団は農薬の混入機会は他にもあったと主張し、酒瓶の封かん紙に使われたのりの鑑定書などを新証拠として提出した。

確定判決で、農薬は現場の公民館で元死刑囚が1人きりだった約10分間に酒瓶に混入したと認定された。

弁護団は、別の場所で何者かが酒瓶を開栓して混入し、瓶口の封かん紙を貼り直したと主張。現場で採取された封かん紙ののりについて、新たに再現実験による分析を専門家に依頼した結果、経年変化を考慮しても製造段階とは異なる市販ののりが付着していた可能性が極めて高いとして、「奥西氏を犯人とする重大な根拠が失われた」と訴えた。

第10次請求審でものりに関する鑑定書が提出されたが、最高裁決定は封かん紙の採取・保管状況、経年変化の可能性から「付着物質の特定は困難だ」と判断。鑑定書の信用性も否定し主張を退けた。

申し立て後の記者会見で、岡さんはビデオメッセージを寄せ、「一日も早く再審開始を決定してほしい」と訴えた。鈴木泉弁護団長も「今度こそ必ず再審開始、無罪判決を勝ち取る」と語った。

〔写真説明〕名張毒ぶどう酒事件の第11次再審請求申し立てのため、名古屋高裁に入る弁護団や支援者ら=22日午後、名古屋市中区 〔写真説明〕名張毒ぶどう酒事件の第11次再審請求申し立て後、記者会見する鈴木泉弁護団長=22日午後、名古屋市中区

2026年01月22日 17時08分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース