
大阪大の研究グループは31日までに、糖尿病などで血糖値が高い状態が続くと、血液中の糖が唾液に移行し、口の中の細菌バランスが変化して虫歯になりやすくなるとする研究結果を発表した。血糖管理が歯周病だけでなく、虫歯の予防にも重要であることを示す成果として注目される。
坂中哲人・阪大院講師らの研究グループは、糖尿病患者と非糖尿病者の計約60人を調査。血液中の糖が口の中にどのような影響を与えるか調べるため、唾液腺から分泌されたばかりの「腺唾液」を採取し、血液由来の糖や代謝物の動きを分析した。
その結果、血糖値が高い人ほど、血液中のグルコースやフルクトースが唾液に移りやすく、虫歯や歯垢(しこう)が多い傾向があることが分かった。さらに歯垢を調べると、虫歯の原因となる細菌が増える一方、口の中の健康を保つ菌は減少していた。細菌全体の働きも、糖を分解して酸を作りやすい状態に傾き、歯が溶けやすい環境になっていたという。
一方、糖尿病患者が入院して血糖を管理すると、唾液中の糖が減り、口の中の細菌バランスは改善。虫歯菌が減り、健康に関わる菌が増えていた。歯科治療は行っておらず、血糖管理そのものが口腔(こうくう)環境を改善した可能性が高いとしている。
坂中講師は「虫歯は血糖の影響も受けることが分かった。今後は、唾液を介した糖の供給量や健康な人への影響も調べたい」と話している。論文は国際学術誌「マイクロバイオーム」に掲載された。
〔写真説明〕歯科医院で医師の説明を受ける高齢者(写真はイメージ)
2026年01月31日 18時55分