
実態のない架空取引を繰り返す「循環取引」で決算を粉飾したとして、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)罪に問われた人工知能(AI)開発会社「オルツ」の元執行役員浅井勝也(46)、元財務経理部長有泉隆行(53)両被告と、法人としての同社の初公判が9日、東京地裁(宮田祥次裁判官)であった。2人と同社はいずれも起訴内容を認めた。
事件では元社長米倉千貴(48)、前社長日置友輔(35)両被告も起訴されている。
検察側は冒頭陳述で、創業者の米倉被告は新規上場を目指していたが、同社開発のAI議事録作成サービスの売り上げが期待ほど上がらず、2020年6月ごろから循環取引を始めたと指摘。営業担当だった浅井被告は不正加担先との調整を担い、経理担当だった有泉被告は架空の売上高の計上を承認したなどとした。
被告人質問で浅井被告は「当初は一時的な手段だったが、引くに引けなくなった」と説明。有泉被告は「発案者は米倉被告で、反対意見は受け入れてもらえなかった」と述べた。
起訴状によると、4人は共謀し、24年9月、22年1月~24年6月の売上高を計約84億円過大に記載した有価証券届出書を関東財務局に提出。東証グロース上場後の25年3月には、24年の売上高を約49億円水増しした有価証券報告書を提出したとされる。
〔写真説明〕東京地裁=東京都千代田区(AFP時事)
2026年03月09日 20時00分