法制審答申に「重大な問題」=再審研究者ら142人反対声明



有罪が確定した刑事裁判をやり直す再審制度を巡り、法務省の法制審議会(法相の諮問機関)が法改正に向けまとめた答申内容は「重大な問題をはらんでいる」などとして、再審や誤判に詳しい刑事法研究者ら計142人が6日、反対の緊急声明を公表した。

法制審は2月、再審請求手続きで捜査機関保有証拠の開示範囲を限定し、再審開始決定に対する検察官の不服申し立てを従来通り維持するなどの内容を法相に答申した。政府は答申に沿った刑事訴訟法改正案を国会に提出する方針だったが、自民党から冤罪(えんざい)被害者の救済を遅らせる不服申し立ての全面禁止を求める意見が続出。不服申し立てに一定の制限を設ける方向で検討している。

声明では、証拠を請求人や弁護人に提示する仕組みとし、開示命令の対象を広く捉えるべきだとした。開示証拠を支援者や報道機関に示すと罰則が科される禁止規定の導入についても「設けるべきではない」と反対した。

検察の不服申し立てを禁止することで「再審公判の判決確定までの迅速化が達成されるはず」と強調。検察が不服申し立てを繰り返した過去の事例から、適切な対応は期待できないと断じた。

6日に東京都内で記者会見した呼び掛け人の葛野尋之青山学院大教授は「危機感を募らせている。刑事司法の根幹に関わる法改正なのではっきり意見を述べるべきだと考えた」と説明。明治大の石田倫識専任教授は「法制審にも研究者が入っているが、今回の142人とは正反対(の意見)で、学界の通説、多数説ではない」と指摘した。

〔写真説明〕再審制度の見直しを巡り、法制審議会の答申に反対する声明を公表し、記者会見する葛野尋之青山学院大教授(左端)ら=6日、東京都千代田区

2026年04月06日 20時44分


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