
再審制度を見直す法務省の刑事訴訟法改正案が13日、自民党内の会議で了承された。最大の焦点だった再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(抗告)は「原則禁止」に。全面禁止を訴えてきた弁護士からは「不十分な法案だ」と、今国会提出後のさらなる修正を求める声が上がった。
了承された法務省案では、現行法で抗告できる対象から再審開始決定を削除し、「十分な根拠がある場合」に限って抗告を認める規定が本則に設けられた。
再審制度に関する法制審議会(法相の諮問機関)の部会で委員を務めた鴨志田祐美弁護士は「例外の抜け道が残る」と不満を漏らした上で、「議員皆が一致団結し、国会でもっと良いものを作ってほしい」と注文した。
同じく委員で、袴田巌さん(90)の再審開始決定を静岡地裁で出した元裁判官の村山浩昭弁護士は、原則的に抗告しない実務が定着すれば、非公開の再審請求審ではなく、公開法廷で行われる再審公判の審理が充実すると指摘。「皆に分かりやすく、望ましい形になるだろう」と期待した。
一方、再審請求手続きで開示された証拠について、目的外での使用を罰則付きで禁じる規定も盛り込まれた。
元看護助手の再審無罪が確定した湖東記念病院事件で弁護団長を務めた井戸謙一弁護士は、「支援者や記者が証拠を直接見られないと、検証できなくなる弊害がある」と規定の撤回を求める。同事件では開示証拠に触れたメディアの報道がきっかけで再審開始につながったといい、「国会審議では議員一人ひとりが正しいと思う判断をしてほしい」と語った。
〔写真説明〕再審制度の見直しを訴える鴨志田祐美弁護士(右端)と元裁判官の村山浩昭弁護士(左端)ら=13日午後、東京都千代田区
2026年05月13日 20時36分