
沖縄は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦の犠牲者を追悼する「慰霊の日」を迎えた。81年前、国内最大の地上戦で最後の激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園では、県主催の「沖縄全戦没者追悼式」が開かれ、遺族らが犠牲となった約20万人の冥福を祈り、平和への誓いを新たにした。
式には、玉城デニー知事や遺族のほか、高市早苗首相や衆参両院議長、閣僚ら約3200人が出席。犠牲者に黙とうをささげ、参列者が献花した。
玉城知事は平和宣言で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設について、「一方的な押し付けではない、日米両政府と県の対話による解決を求めている」と述べた。
その上で、近年の国際情勢を、大国による力を背景とした現状変更の試みで秩序が揺らいでいるとし、「平和を希求する県民、世界中の人々の願いから最も離れたものだ」と批判。核拡散への懸念にも触れ、「わたしたちは平和創造、国際協力・貢献のための拠点として、世界の中で確固たる地位を築いていく」と誓った。
高市首相はあいさつで、「戦没者の無念、残された遺族の悲しみを思うとき、本当に胸が締め付けられる思いだ」と話した。基地負担にも触れ、「整理・統合・縮小に取り組むとともに、沖縄と連携し跡地の有効活用を進める」と述べた。
式典では、豊見城市立豊崎中学校2年の亀谷琉奈さん(14)が平和の詩「生きたいと願った証」を朗読。曽祖母の戦争体験に思いを寄せた詩には、当たり前の日常への感謝と、二度と戦争をしないとの誓いが込められている。
1945年6月23日は、沖縄戦の組織的戦闘が終結した日とされる。犠牲者の名前を刻む同公園内の「平和の礎」には今年新たに95人の名前が追加され、刻銘者は計24万2659人となった。
式中、高市首相に向け「戦争反対」「憲法守れ」などとヤジが飛び、数人が退場に。玉城知事は式後、「式典は静謐(せいひつ)な環境で厳かに行いたい。ぜひ気配りをお願いしたい」と述べた。
〔写真説明〕「平和の礎」を訪れ、手を合わせる人たち=23日午前、沖縄県糸満市
〔写真説明〕沖縄全戦没者追悼式で平和宣言を読み上げる沖縄県の玉城デニー知事=23日午後、沖縄県糸満市の平和祈念公園
〔写真説明〕沖縄全戦没者追悼式後、焼香台の前で手を合わせる参列者=23日午後、沖縄県糸満市の平和祈念公園
〔写真説明〕沖縄全戦没者追悼式で献花を終えた高市早苗首相=23日午後、沖縄県糸満市の平和祈念公園
2026年06月23日 16時56分