
機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の冤罪(えんざい)事件で、勾留中に亡くなった元顧問相嶋静夫さん=当時(72)=の保釈請求を却下するなどした裁判官37人の判断は違法として、妻(77)ら遺族3人が国に計約1億6800万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が29日、東京地裁(大須賀寛之裁判長)であった。国側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。
原告側によると、否認すれば身柄拘束が長引く「人質司法」を巡り、裁判官37人の責任を問う訴訟は異例。閉廷後に記者会見した弁護団は、裁判官の証人尋問を請求する考えを示した。
意見陳述した妻は、入院中に保釈請求が却下された相嶋さんが「これでも人間なのかね」と絶望し、涙を流したと明かした。「執拗(しつよう)に繰り返された請求却下の理由を裁判官たちに聞きたい」と訴えた。
訴状によると、相嶋さんは2020年3月、外為法違反容疑で社長らと共に逮捕され、その後起訴された。同10月に胃がんが見つかり、勾留は一時停止されたが、計8回の保釈請求はいずれも認められず、起訴取り消し前の21年2月に死去した。
原告側は、相嶋さんに逃亡や罪証隠滅の恐れがなく、治療が必要なのに長期間勾留したのは憲法違反と指摘。「証拠資料を合理的に判断すれば要件を満たしていないことは明らかだった」と主張した。
〔写真説明〕大川原化工機冤罪(えんざい)事件で、裁判官37人の責任を問う訴訟の第1回口頭弁論を前に、東京地裁に向かう原告ら=29日午前、東京都千代田区
〔写真説明〕東京地裁=東京都千代田区
2026年06月29日 15時56分