規格外の守護神、重ねた努力=ストレッチ日課に柔軟性獲得―骨折も前向きに対処、鈴木彩艶選手・W杯サッカー



サッカーのワールドカップ(W杯)決勝トーナメント進出を決めたスウェーデン戦で好セーブを連発し、存在感を示した日本代表のGK鈴木彩艶選手(23)。身長190センチ、体重100キロの恵まれた体格と高い身体能力を武器に、規格外のポテンシャルを持つ守護神だ。

しかし、その裏には小学生時代から積み重ねてきた努力があった。長年、成長を見守ってきた恩師の工藤輝央さん(46)が、その原点を語る。

出会いは小学3年の時。地元・さいたま市の選抜チームにいた兄に連れられ、グラウンドに遊びに来たのが最初だった。「キーパーが好きな子」「ドッジボールがうまい子」ぐらいの存在で、飛び抜けた印象はなかった。小5で、工藤さんがコーチを務めていた浦和レッズの下部組織に入団した。

手足を大きく広げてゴールを守る鈴木選手だが、当時は「笑うくらい足を開けなかった」と工藤さんは振り返る。ただ、風呂上がりに30分間のストレッチを日課とし、柔軟性を高めていった。これを続けられたこと自体が「才能」だった。

武器とする高精度のロングスローは、小6ではまだコントロールが定まらず、期待するレベルにはほど遠かった。動画でフォームを確認し、肩関節も柔らかくするなど地道な努力を続けた。

中2の頃、体の成長を優先するため、練習を週1回に制限し、試合にも出ないようチームが提案した。「トップ選手になるためには身長が必要だと認識していた」というが、ライバル選手との差が広がるのではないかと葛藤していたようにも見えた。8カ月間ほど続けた練習制限期間に、鈴木選手の身長は10センチほど伸びたという。

「よりストイックになっている」。昨年11月に左手を骨折した後のリハビリ期間中、工藤さんは鈴木選手と食事を共にした。患部を冷やしながらだったが、落ち込む様子はなかった。「手以外のトレーニングもできるので、楽しみです」と前向きに語ったという。

工藤さんは「目標がしっかりしているから努力できるというのは変わっていない。これが続けられるのが彼の才能だ」と期待を寄せる。

30日はサッカー王国ブラジルとの大一番。攻撃をどこまでしのげるか。番狂わせへ、準備は整っている。

〔写真説明〕浦和レッズ時代の鈴木彩艶選手(左)と工藤輝央さん(工藤さん提供) 〔写真説明〕スウェーデン戦でゴールを守る鈴木彩艶選手(右)=25日、米ダラス(AFP時事) 〔写真説明〕小学生時代の鈴木彩艶選手(右)と工藤輝央さん(工藤さん提供)

2026年06月29日 14時32分


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