車中泊避難、支援に限界=把握困難、専用駐車場も低調―熊本地震



熊本地震では、多くの被災者が健康被害のリスクのある車中泊を余儀なくされ、災害関連死が疑われる死亡者も出た。自治体が車中泊避難者の正確な人数や健康状態を把握するのは難しく、専用スペースやガイドラインを整備していても、支援には限界があるのが実情だ。

熊本県氷川町の無職、山野節子さん(83)は、地震発生から数日間、自宅近くで車中泊をした。「家が崩れて玄関や窓が閉められず、窃盗被害が怖かった」と説明。「知らない人がインターホンを押すのを見た。家人が不在か確かめていたんだと思う」と心細げに話した。

車中泊には熱中症やエコノミークラス症候群などのリスクがあるが、さまざまな理由でやむを得ず選択する人が多い。県が10年前の熊本地震後に調査したところ、最も長期間避難した場所は「自動車の中」(47.2%)が最多だった。理由を複数回答で尋ねると、「余震が続き、車が一番安全と思ったため」が最も多く、79.1%を占めた。

熊本市は4月、車中泊避難者支援のガイドラインを公表。今回の地震では規定通り、トイレや給水施設を整備した車中泊避難用のスペースを市内2カ所に開設した。ただ、今回の利用は最大時でも約70台で、駐車可能台数の3分の1以下にとどまった。市担当者は「自宅などで車中泊していた方が多数いたとみられる。今後はガイドラインの周知を進めたい」と話した。

木村敬知事は「避難者にはさまざまなニーズがあり、(リスクがあっても)車中泊を否定するものではない」と説明。「車中泊を選んだ避難者が取り残されることがないよう、個別に訪問を重ねて、必要な情報や物資が届くように努めたい」と話している。

〔写真説明〕熊本県宇城市の小川防災拠点センターの駐車場で車中泊する避難者=7月30日

2026年08月11日 07時06分


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