
熊本県で最大震度7を観測した地震では、大きな地震を経験したことのない在日外国人も多数被災した。言葉の壁や文化の違いから、避難所の利用をためらったり、どこで支援物資がもらえるか分からなかったりする人も多く、外国人同士の助け合いに頼らざるを得ない状況も浮かんだ。
震度6強の揺れが襲った八代市。6日、市内のアパート前に非常食や飲料水といった支援物資を積んだ車が到着すると、集まった外国人被災者約30人から歓声が上がった。住人には技能実習生として来日した人が多く、インドネシア人実習生の女性(22)は「食料が不足していたので、とてもうれしい」と顔をほころばせた。
物資を届けたのは、県内に暮らすベトナム人の生活相談などを受け付ける「在熊本ベトナム人協会」。理事長のレー・ティー・チャムさん(48)は「ベトナムでは日本と違い、避難所に行く習慣があまりない。言葉の壁もあって避難所に行きたがらなかったり、場所が分からなかったりする人が多い」と話す。地震後は多くのベトナム人が家屋倒壊への恐怖で家にいられず、屋外にブルーシートを敷いて寝たという。
同協会は2022年に設立され、県内に住むベトナム人の約半数に当たる約3000人とフェイスブックでつながる。地震後「水がない」などと助けを求める連絡が届くようになり、食料などの配達を始めた。6日は八代市と宇城市を回り、外国人被災者約200人に物資を届けた。
チャムさんらはベトナム国籍かどうかを問わず、公的支援から取り残されがちな被災外国人に支援物資を届けている。チャムさんは「今回の地震でいろいろな課題が見えた。日頃の活動を通じて、避難とはどんなものか伝えることからやっていきたい」と語った。
〔写真説明〕「在熊本ベトナム人協会」による被災外国人への物資支援=6日、熊本県八代市
〔写真説明〕被災地で行われている外国人同士の支援で、物資を受け取った被災者ら=6日、熊本県八代市
2026年08月14日 07時03分