2021年東京五輪で柔道男子100キロ級を制したウルフ・アロン(29)がこのほど、新日本プロレスへの入団を表明した。五輪金メダリストのプロレス転向は、日本選手では初めて。「なぜプロレスを、と言われたら『好きだから』。試合前、試合、試合後、全ての生きざまを見せるのがプロレス」。ひげをたくわえた顔に高揚感をあふれさせた。
昨年のパリ五輪はメダルに届かず、今年6月に現役引退。次は憧れの舞台に挑むことを決めていた。五輪金メダリストの肩書にも未練はない。「変なプライドは僕にとって邪魔。全て捨てて、ゼロの状態から土台を積み上げていく」
ともに相手と組み合うが、柔道とプロレスの戦い方には異なる点も多い。特に、後ろに倒れるプロレスの受け身の動きにはなじみが薄く、苦戦していると明かした。新日本プロレスのスター選手で、社長も務める棚橋弘至は「これからまだまだ伸びる。業界を担う選手になっていただきたい」と期待を込める。
「硬派」なイメージの柔道からの転向には驚きの声も多いが、本人は「僕自身をつくり上げてくれたのは柔道。捨てるのではなく、それをしっかりと持ってプロレスをやる」ときっぱり。デビュー戦は来年1月4日。畳の王者が、リングで新たな頂を目指す。
【時事通信社】
〔写真説明〕新日本プロレスの入団会見に臨むウルフ・アロン(右)。左は棚橋弘至社長=6月23日、東京都港区
2025年07月03日 14時32分