武藤、待望初ゴール=どん底から復活―Jリーグ・神戸



苦しんだ自分自身も、サポーターも待ち望んだ瞬間だった。神戸の武藤が今季初ゴール。けがを乗り越えた昨季のMVPがチームを勝利に導き、「ほっとした。やっと戻って来られたという、うれしさがあった」。言葉に実感がこもった。

前半37分、右サイドからエリキがエリア内に進入。中央へのパスを宮代がスルーし、後ろで構えた武藤が右足で蹴り込んだ。2連覇を決めた昨季の最終節以来のゴール。仲間からの祝福を受け、笑顔がはじけた。

開幕からコンディション不良が続き、5月に腰を手術。原因が分からずに悩んだ期間もあり、「どん底まで落ちた。ネガティブになってしまった」と振り返る。全治3カ月の診断より早くピッチに戻ってきたが、再発のリスクとは隣り合わせ。「怖さがどこかに残る。とにかく怖さに勝たないと」。葛藤を抱える中、過密日程で戦うチームの力になろうと必死だ。

武藤が不在の時は宮代らがチームを引っ張り、上位争いで後れを取らなかった。過酷なリハビリでも、チームの躍進が励みになったという。「きょうのゴールでストッパーが外れた気がする。気持ちも楽に、自信も付いた」。混戦を抜け出すため、頼もしい存在が帰ってきた。

【時事通信社】 〔写真説明〕前半、先制ゴールを決め喜ぶ神戸の武藤(左端)=30日、ノエスタ

2025年08月30日 22時42分


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