希代の強打者らしい規格外の打撃だった。ヤクルトの村上が、バックスクリーン方向へ特大の当たりを3発。「来た球を打つ。それだけ」。シンプルな思考で3本塁打4打点をマークし、神宮球場を大いに沸かせた。
二回に、相手投手の高橋に2点二塁打を浴びて先制点を献上した。その裏の攻撃で、主砲が外角寄り高めの速球を豪快に打ち返す12号ソロ。「一発で仕留めることができた」。嫌な流れが一振りで変わった。
三回は味方打線が2―2の同点に追い付き、なお2死三塁の場面で打席へ。ファンの期待に応えるように、再びバックスクリーンへ運ぶ勝ち越しの13号2ラン。五回は一ゴロに倒れたものの、八回には5番手の左腕辻からリードを3点に広げる14号ソロ。終わってみれば1点差での勝利だっただけに、3本とも大きな意味を持つ本塁打だった。
選手、監督として経験豊富な高津監督さえ、開口一番「いやー、すごいね」と驚きを隠さなかった。「引っ張って大きな当たりを打てるのはもちろん、あの(中堅)方向にも打てる。いいバッティング、いいスイングだった」。長期離脱から復帰し、29試合で14本塁打。村上の当たりが止まらない。
【時事通信社】
〔写真説明〕3回、2打席連続となる勝ち越し2ランを放つヤクルトの村上=30日、神宮
〔写真説明〕8回、この日3本目となるソロ本塁打を放つヤクルトの村上=30日、神宮
2025年08月30日 22時24分