
落ち着かない様子だった大関昇進の伝達式前とは別人のように堂々としていた。安青錦が響き渡るほどの大きな声で「さらに上を目指して精進いたします」と口上を述べた。シンプルな言葉に純粋な思いを込めた。
ウクライナ出身では初の大関。「上の番付を目指す気持ちが強い。自分らしく100%、理解できる言葉で話したかった」。記者会見では時折、笑みを浮かべ、リラックスした表情で説明した。
24日の夜。師匠の安治川親方(元関脇安美錦)に相談した上で口上を決めた。「数え切れないくらい」練習を重ね、「緊張した。しっかり言えてよかった」と安堵(あんど)感をにじませた。
先の九州場所千秋楽、本割で大関琴桜、決定戦で横綱豊昇龍を撃破して初賜杯。実力は申し分ない。師匠は「よく稽古してきた」と弟子の頑張りを認め、「他の力士の手本になれるように」と期待を寄せる。安青錦は「(大関は)協会の看板。責任を持ってやっていく」と決意を新たにした。
【時事通信社】
〔写真説明〕大関昇進の伝達式で口上を述べる安青錦(右から2人目)。同3人目は安治川親方=26日、福岡県久留米市
〔写真説明〕大関昇進の伝達式後、会見する安青錦(右)。左は安治川親方=26日、福岡県久留米市
2025年11月26日 11時56分