
2008年北京五輪、21年東京五輪でソフトボール女子日本をエースとして金メダルに導いた上野由岐子投手(ビックカメラ高崎)。43歳を迎えた今季はリーグ戦で7季ぶりに2桁勝利を達成するなど、健在ぶりを示した。チームの大黒柱として奮闘した。
頼もしいベテランの存在はチームにとって欠かせない。11月中旬のJDリーグ・ダイヤモンドシリーズ準決勝では130球を投げて完封。決勝でも先発を務めて力投した。チームは優勝を逃したが、岩渕有美監督は「上野に頼らなきゃいけないという申し訳なさはあった。今年は先発を何試合も背負ってもらって、これだけの結果を出してもらえたというのは感謝しかない」と評価した。
昨季はひざを負傷し「投げたくても投げられなかった」。この経験があるからこそ、コンディション調整に人一倍気をつかう。練習では無理に投げ過ぎないことを意識。2連投を託された決勝は疲労感があった中でも「今できる自分のパフォーマンスをするしかない。80%しか出せないんだったら、80%しっかり出す」と割り切って臨んだ。
近年はシーズンが終わると進退が取り沙汰されてきたが、関係者によると来季も現役を続行する。レジェンドの挑戦は、これからも続く。
【時事通信社】
〔写真説明〕決勝で力投するビックカメラ高崎の上野=11月16日、東京・ジャイアンツタウンスタジアム
2025年12月16日 14時31分