
【ニューヨーク時事】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平は2025年、歴代単独2位となる4度目の最優秀選手(MVP)に輝いた。2年前の右肘手術から復帰し、投打の二刀流が復活。大リーグ公式サイトのデータアナリスト、デービッド・アドラー氏は「二刀流としてのピークはまだ先にある」と話す。
打者として打率2割8分2厘、リーグ2位の55本塁打、102打点をマークし、平均打球速度はトップ級。アドラー氏は長打の出やすい速度と角度を組み合わせた指標の「バレル」に着目する。「レギュラーシーズンとポストシーズンを合わせて113バレルを記録した。この数値を計測して以来、過去最高だった」と感嘆の声を上げる。
ボールに当たる瞬間のバットの角度を示すアタックアングルにも今季の特色が表れる。「少しだけアッパースイングが強まっている。本塁打を量産する打者の特徴的な傾向。昨季は高めを長打にする確率が高かったが、今季は低めの球を強くはじき返していた。スイングを変えたというよりも、相手投手の配球に対応した結果だろう」と分析した。
投手としては6月に復帰して14試合に先発し、防御率2.87。「今季は高速スライダーがベストピッチだった。勝負球として使えて効果的。プレーオフでスプリットの精度が戻ったことも今後への好材料」と語った。
来年で32歳になる大谷の打撃面について「60本塁打を放つ可能性があり、絶頂期に近い」と指摘。一方で投手としては15勝9敗、防御率2.33をマークした22年のような活躍の再現の可能性に触れる。MVPの歴代最多受賞はバリー・ボンズ(元ジャイアンツなど)の7度。アドラー氏は「二刀流を続ければ大谷は(常に)MVPの最有力候補。ボンズを超える可能性もある」と述べた。
【時事通信社】
〔写真説明〕ドジャースの大谷翔平について分析したデービッド・アドラー氏=2024年9月、ニューヨーク
〔写真説明〕ナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦。ブルワーズ戦の4回、この試合2本目となるソロ本塁打を放つドジャースの大谷翔平=10月17日、ロサンゼルス
〔写真説明〕ナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦。ブルワーズ戦で力投するドジャースの大谷翔平=10月17日、ロサンゼルス
2025年12月17日 14時34分