
【パリ時事】ノルディックスキーの複合男子で2022年北京五輪団体銅メダリストの山本涼太(長野日野自動車)が五輪シーズンの今季、苦戦している。20日までオーストリア・ラムソーで行われたワールドカップ(W杯)の2戦でいずれも32位にとどまった。
山本涼はW杯で表彰台が4度。飛躍で貯金をつくり、距離で粘って好成績を残してきた。ただ、今は得意の飛躍で試行錯誤が続く。空中姿勢をうまくつくれず飛距離が伸びない。「何か当たればと思っていろいろやっているが、なかなか」。助走、飛び出しの瞬間などでさまざまな形を試すものの結果に表れていない。
来年2月のミラノ・コルティナ五輪開幕まで約1カ月半。焦りがないわけではない。「調子が悪いことは仕方ない。これも僕の競技人生。ここで何を思って、何をするかが大事」と冷静に受け止める。
年明けに予定されていたドイツでのW杯が中止に。次戦まで3週間弱の調整期間ができたのは今の山本涼にとって追い風だ。当然、飛躍の練習に取り組む。「何かをつかみたい、ではなく、つかまないといけない。やるしかない、そんなところに来ている」
これまで課題だった距離で、今季は手応えある走りができている。それだけに本来の飛躍が戻れば、再び上位争いできる可能性はある。
【時事通信社】
〔写真説明〕ノルディックスキー複合のワールドカップ(W杯)男子個人第6戦で後半距離を終えた山本涼太=20日、オーストリア・ラムソー
2025年12月25日 14時50分