
表彰台に上がると、緊張した面持ちから満面の笑みに変わった。スノーボード女子スロープスタイルの深田茉莉(19)=ヤマゼン=が金メダル。「首にメダルを掛けた時に重みが伝わった。今まで周りの人と一緒にやってきてよかった」と実感を込めた。
繊細かつダイナミックな演技を披露した。トップで迎えた3回目。コースに障害物が待つ前半は、レールの上で丁寧に板を走らせた。後半に続くジャンプ台では、横3回転半技を普段と逆のスタンスで背中側に踏み切る「スイッチバックサイド」で成功。会心の演技を完遂させ、2回目を上回る87.83点をマークした。
本格的に競技に取り組んだのは代表選手では遅めの13歳。当時のトップ選手を指導していた佐藤康弘コーチ(51)と、たまたま地元の練習施設で出会ったのがきっかけだった。
栄冠の裏側には「とんでもない練習量がある」と佐藤コーチは言う。一緒に教えを請う日本の岩渕、今大会の男子スロープスタイル覇者の蘇翊鳴(中国)との練習でもまれ、ぐんぐん成長していった。
完璧主義でうまくいかないと、思い悩む性格。昨季は表彰台から遠ざかった時期があった。その時も支えになったのは佐藤コーチ。「自分に足りないところがあって、結構怒ってもらった」。技術だけでなく、選手としてのあるべき姿も指導されてきた。
二人三脚で歩んだ道のりは、夢舞台の頂点となって実を結んだ。「彼女が報われて本当によかった」と佐藤コーチ。表彰式が終わると、2人は破顔して抱き合い、喜びをかみしめた。深田は万感の思いでコーチにこう伝えた。「スノーボードをやってきてよかった」。
【時事通信社】
〔写真説明〕スノーボード女子スロープスタイルで金メダルを獲得し、佐藤康弘コーチ(左)と喜ぶ深田茉莉=18日、リビーニョ
2026年02月19日 12時34分