
ノルディックスキー・ジャンプ男子の小林陵侑(チームROY)は、3大会連続となる五輪を終え、晴れやかに語った。「日本チームとしてうれしかった」。混合団体で銅メダルを獲得した今大会は、個人的には数々の大舞台で披露してきたような突出したジャンプは見せられず。メダル3個と活躍した二階堂蓮(日本ビール)に主役の座を譲ったが、悔しさ以上に喜びを感じたという。
個人で金、銀を手にした前回の北京五輪後は、日本の選手層に危機感を抱いてきた。2023年春に土屋ホームを退社しプロに転向してからは、持論を述べる回数も増えた。「僕や蓮、(高梨)沙羅とか個人では頑張っているが、国としての強化は劣っている」。選手層の厚い欧州の強豪国と比べての発言だった。
国内の実業団についても「本当に世界で勝とうとしているのか。一つのことに一緒に向かっているかといえば、そうではない」。各チームに特色があり、さまざまなタイプの選手が生まれるのが日本ジャンプ界の特徴ではあるが、小林陵の考えは違う。欧州各国はワールドカップ(W杯)下部のコンチネンタル杯、さらに下部の大会にも若手を派遣し、早期に世界の舞台を経験させる。そのスタイルの違いが差になっていると主張してきた。
同じ考えを持つ全日本男子の作山憲斗ヘッドコーチの存在は大きかった。全日本チームが主導し、一貫性のある国内強化を目指した結果、今大会は男女でメダル4個を獲得。自身は「脇役」となっても、求めてきた光景を見られたことは、未来へのモチベーションにもなった。
「僕も次の五輪まで、いい感じ(の位置)でいられたらいい。今度はもっと気楽に臨めると思う」と小林陵。さらなる新星の台頭を期待しつつ、日本のエースは次の4年に向かう。
【時事通信社】
〔写真説明〕ノルディックスキー・ジャンプ混合団体で銅メダルを獲得し、笑顔を見せる(左から)二階堂蓮、小林陵侑、高梨沙羅、丸山希=10日、プレダッツォ
2026年02月19日 15時07分