渡部暁、最後の一戦=弟善斗の思いも乗せて―ノルディック複合〔ミラノ・コルティナ五輪〕



五輪で現役最後の一戦は、大雪に見舞われた。前半飛躍は難しい条件。渡部暁は119メートルにとどまった。「もうちょっと気持ち良く飛びたかった」と悔しさをにじませつつ、「これで終わりか。もう五輪で飛ぶことはないんだ」と感慨深げにジャンプ台を見詰めた。

山本涼と交代しながら走る距離では後半まで先頭集団の中で粘っていたが、最後は力尽きた。結果は6位。6度目の五輪の全てのレースが終わった。「面白いレースができた。改めていい人生だったと思う」としみじみ語った。

競技の外でも周囲から人間性を絶賛される37歳。三つ年下の弟、善斗も兄の姿に尊敬のまなざしを送る。「複合界全体に与える影響力がある。それを含めてすごい選手。完成形に近い選手だな、と今見ても思う」

長年、一緒に世界の舞台で戦ってきた。「他の兄弟みたいに切磋琢磨(せっさたくま)してきた感じでもない。暁斗は自分でやりたいようにやる人だし、僕も自分のことで精いっぱい」と言うが、兄のすごみを何度も目の当たりにしてきた。

「普通の人で、何か特別な才能があるわけでもないのに、ずっと強い。自分で自分を強くする方法を探るのが得意なのかな。苦しみながらも探って、形にしてというのが彼の強み。まねしようと思ってもできない」

今大会、善斗の代表入りはかなわなかった。渡部暁にとって、弟の思いも乗せたラストだった。

【時事通信社】 〔写真説明〕ノルディックスキー複合・団体スプリント、渡部暁斗の前半飛躍=19日、プレダッツォ 〔写真説明〕ノルディックスキー複合・団体スプリント、後半距離で力走する渡部暁斗(右)=19日、テーゼロ 〔写真説明〕ノルディックスキー複合・団体スプリントを6位で終え、フィンランドの選手と健闘をたたえ合う渡部暁斗(中央)=19日、テーゼロ

2026年02月20日 00時21分


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