
スピードスケート日本女子のエースとして、今大会も三つのメダルを手にした。高木美帆(31)=TOKIOインカラミ=が、ここ3大会で積み上げたメダルは10個に及ぶ。ただ、一番欲しかった1500メートルの金には届かなかった。6位という結果を突き付けられ「悔しい、申し訳ない、そういう言葉だけでは表現できない」。結末は非情だった。
自身が世界記録を保持する1500メートルは最激戦区とされる。スプリント力に優れた選手も、長距離が得意な選手も混在。レースでの力の配分が難しく「繊細なところがある種目」。そこが高木には面白かった。
今大会での金メダルを目指し、前回北京五輪後はナショナルチームを離れた。当初はヨハン・デビットコーチと二人三脚で活動したが、「手探りで行き当たりばったり」だった。仲間を求め、自らが中心となってチームを結成した。
団体追い抜きで苦楽を共にした佐藤綾乃(29)=ANA=や、中国の中距離のトップ選手らが集った。「年齢を重ね、昔とは違う。今までやってきたことと同じようにやってもいけない」。新しい環境に身を置き、1500メートルで理想的な滑りができない現状を打破しようと、もがき続けた。
体力の衰えにあらがい、求道者のごとく歩んだ4年間を「よく頑張ったな、と思う局面は結構あった」と振り返る。望んだ色ではなかったとしても、30歳を過ぎて銅メダル3個を獲得。健在ぶりを示したのはさすがだった。
今大会も日本勢の中心に高木がいた。20日までの男女個人種目で他に表彰台に立った選手はおらず、入賞者も高木を含めて3人だけ。後進が続いてこない厳しい現状がある。
北京五輪を終えた後、姉の菜那さんに「もしかしたら、やめるかもしれない」と打ち明けたことがある。4年を経た今、「一番感じているのは、自分の挑戦はこの結果で終わったんだなというところ」。全てを出し尽くした高木に、再び心を燃やせる目標は見つかるか。
【時事通信社】
〔写真説明〕スピードスケート女子1500メートル、滑走を終えた高木美帆=20日、ミラノ郊外
〔写真説明〕スピードスケート女子1500メートル、滑走する高木美帆=20日、ミラノ郊外
2026年02月21日 16時18分