米関税、なお世界に影=先行き不透明感続く



【ワシントン時事】トランプ米大統領が昨年4月に発表し、世界に衝撃を与えた相互関税について、連邦最高裁が違憲と判断した。「ルールに基づく貿易秩序を支持する強いシグナルを送った」(ドイツ産業連盟)と、各国から歓迎の声が上がる。だが、米政権はすぐに代替措置を打ち出しており、「トランプ関税」は世界経済の先行きに影を落とし続けそうだ。

米ペンシルベニア大によると、最高裁が違憲とした相互関税など国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税は、米関税収入全体の半分ほどを占めるにすぎず、自動車や鉄鋼・アルミニウムなどへの分野別関税は残る。さらに、トランプ氏は「極めて強力な手段を取る」と語り、通商法122条や301条などを活用した関税導入を視野に入れる。

2025年の輸出先で米国向けが約24%というスイスの化学・製薬業界団体「サイエンスインダストリーズ」は声明で、「状況は厳しいままだ」と指摘。「最高裁判決は、トランプ氏が関税賦課で他の法的根拠になおも頼ることができる事実を変えるものではない」とし、「貿易政策の不確実性は続く」と懸念を示した。

関税を巡る不透明感は、連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策にも影響しそうだ。高関税によるモノの値上がりもあり、FRBが重視する個人消費支出(PCE)物価指数上昇率は直近の昨年12月で2.9%と、目標の2%を上回る。違憲判決を受けて関税率は当面低下するものの、インフレにどう影響するか見通せない状況だ。

物価動向は追加利下げの是非に関わってくる。セントルイス連邦準備銀行のムサレム総裁は米テレビのインタビューで、「代替措置が当初の関税と同程度か、大規模となるかを見定める」と発言。FRBの現行政策金利は様子見する上で「良い位置にある」と繰り返した。

【時事通信社】 〔写真説明〕米オークランド港に積み上げられた輸送コンテナ=1月、西部カリフォルニア州(AFP時事)

2026年02月21日 20時32分


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