【ワシントン時事】トランプ米大統領が20日表明した全世界に対する一律10%の関税措置には、時間稼ぎの思惑がある。24日から速やかに発動でき、議会承認を得られれば150日間の期限を延長することも可能だ。政権は7月中旬の期限切れまでに、並行して別の関税導入の調査を進める考えだ。
通商法122条に基づく10%の関税は、事前の調査が不要。大統領が巨額の国際収支赤字を認めれば発動できる。最大15%を賦課できる規定だ。
新たな10%関税は、自動車や鉄鋼・アルミニウムなどの分野別関税の根拠となっている通商拡大法232条の品目を対象外とし、既存の追加関税には上乗せされない。貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」に準拠する製品も除外する。
トランプ氏がさらなる代替手段として掲げた通商法301条は、第1次トランプ政権で中国に対する追加関税に活用された。不公正な貿易慣行を是正するための制裁措置を可能にするもので、事前調査から原則12カ月以内に措置を決める。
米政府は301条に基づく新たな関税について「主要貿易相手国のほとんど」を対象に調査を始めると宣言。補助金による過剰生産や強制労働などを問題視しており、中国とブラジルを含め、「実施中の調査を継続する」とけん制した。
トランプ氏は20日、24日に発動する10%関税について「どれくらい続けるか柔軟に決めることができる」と述べ、議会に150日間の期限延長を求める可能性を否定しなかった。ただ、インフレ圧力を高める関税には野党民主党を中心に反発が予想され、301条関税という「二の矢」を放つまでに期限が途切れる可能性もある。
【時事通信社】
2026年02月21日 20時33分
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