スピードスケートの未来に危機感=清水宏保さん、競技普及に思い〔ミラノ・コルティナ五輪〕



ミラノ・コルティナ五輪でメダルを量産した女子の高木美帆(TOKIOインカラミ)をはじめ、多くの世界トップレベルの選手を生んでいる日本のスピードスケート界。ただ、他の多くの冬季競技と同様に競技人口が伸び悩んでいる現状もある。1998年長野五輪金メダリストの清水宏保さん(51)は、「スピードスケートはマイナー競技。このままいくと競技がなくなるんじゃないかと言われている」と危機感を口にする。

練習を積めるリンクがある地域が偏り、トップ選手は北海道と長野県出身が大半を占める。競技が全国に行き渡っているとは言えない。清水さんは「そういう場所でしか選手が出てこないという構図を壊さなければならない。その一歩が吉田雪乃(寿広)なのかもしれない」と言う。

吉田は岩手県出身の23歳。今大会のスピードスケート日本代表で、北海道、長野県以外のただ一人の出身者だ。前回北京五輪後に頭角を現し、ワールドカップ(W杯)優勝などの実績を積んだ。「お世話になった方々に恩返しをしたい」との思いで地元にとどまり、支援企業が徐々に増えてきた。

清水さんは競技普及に腐心してきた。「もっとスポンサーをつけることができれば可能性が出てくる」。長野五輪後はプロとして活動し、積極的にメディアに露出してきたのも、その思いがあったからだ。現在はSNSなど、選手が自らの言葉を発信できる媒体が多様化。「僕らの世代が知らないやり方があるんじゃないか」と可能性を感じている。

裾野拡大のため、ナショナルトレーニングセンター(NTC)をより効果的に活用してほしいとも考える。強化拠点に指定されている明治北海道十勝オーバルと長野・エムウェーブは、いずれもW杯などの世界大会でも利用される立派な施設。「もっと一般開放される時間が必要だと思う。一般の人がスケートに触れ合うことで興味を持ってもらえる」との見方を示した。

【時事通信社】 〔写真説明〕スピードスケート女子1000メートルで滑走する吉田雪乃=9日、ミラノ郊外 〔写真説明〕練習前に笑顔を見せるスピードスケート女子の吉田雪乃=5日、ミラノ郊外

2026年02月21日 20時35分


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