
元大関同士が意地をぶつけ合った一番を霧島が制した。土俵の上であおむけになった高安に手を差し伸べる光景がすがすがしかった。互いに余力は残っていないのだろう。息を切らし、相手を気遣うその表情に満足感がにじんだ。
「諦めずに取れてよかった。やっぱり、体重が重いので」と霧島。左の上手を引いて頭をつけると、高安は半身になって防戦一方。じわじわと圧力をかけ、相手が反撃に転じようとする瞬間を捉え、左からのすくい投げで仕留めた。
2024年5月の夏場所を首の痛みで途中休場し、大関の座を手放した。「けがなく稽古ができれば、自分の元いた所にいける」という決意を胸に抱き、再浮上の機会をうかがってきた。
今場所前は積極的に出稽古し、安青錦らと手合わせした。「僕は稽古をしないと駄目だから」。番数を重ねて築いた土台は、後半戦に生きてきそうだ。首位に並ぶ4人の中ではただ一人の役力士。「何勝しているかは関係ない。一番、一番を大事に取る」。迷いなく、隙を見せずに白星を並べる構えだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕霧島(左)はすくい投げで高安を下す=15日、エディオンアリーナ大阪
2026年03月15日 20時42分