
日本ボクシング史に刻まれるであろう頂上対決は、経験と技術に一日の長がある井上尚に軍配が上がった。統一王座を防衛し、世界戦28連勝。中谷の挑戦をはねのけ、「最強」の力を改めて世界に示した。
栄誉も名声も既に手に入れたというのに、強さに対する自負は増すばかりだ。両者はくしくも32戦全勝同士で、東京ドームのメインを飾るにふさわしいカード。ボクシングの本場、米ラスベガスなどでもスポットライトを浴びてきた井上尚が、やりがいを求めて名指ししたのが中谷だった。
中谷なら「モンスター」に勝てるかも―。近年、そんなファンのささやきが聞こえるようになり、プライドが大いに刺激された。「ちょっと待て。なめられているんじゃないか」
現実的に見れば、得るものより失うものの方が大きい試合。負ければ4本のベルトだけでなく、「最強」の箔(はく)も相手に渡すことになる。今後のマッチメークにも影響するだろう。
だからこそ、今回の勝利には大きな価値がある。「お互いが全盛期と言える時代。お互いの積み上げてきた戦績を見れば、運命的と言っていいんじゃないか」。堂々と正面から強敵を退け、名声はさらに高まった。
【時事通信社】
〔写真説明〕世界スーパーバンタム級主要4団体統一タイトルマッチで中谷潤人に勝ち、撮影に応じる井上尚弥(中央)ら=2日、東京ドーム
〔写真説明〕世界スーパーバンタム級主要4団体統一タイトルマッチの6回、打ち合う中谷潤人(右)と井上尚弥=2日、東京ドーム
2026年05月02日 23時43分