求められる戦術転換=「いい守備から」に限界―サッカー日本、夢は続く(上)



サッカー日本代表の8度目のワールドカップ(W杯)が終わった。「初優勝」を目標に掲げた戦いは、決勝トーナメント1回戦で優勝5度を誇るブラジルに逆転で敗れて32強止まり。2期約8年で森保ジャパンが残した功績と課題を検証する。

◇選手は差を痛感

1―2で屈したブラジルとの戦いは、健闘をたたえる声が世界からも届いた。だが、選手の感覚は違う。「試合後に力不足と言ったのは本心。やれることはやった上での敗退なので」と堂安。大きな差を感じていた。

相手が戦術を変更した後半は、手も足も出なかった。ブロックを敷いてカウンターを打てるのが森保ジャパンの強みだったが、それすらもできない。奪ったボールをすぐに失うかつてのような日本の姿に戻っていた。

追い付かれた後は、攻撃的な堂安と中村の両ウイングバックを、本来DFの菅原と鈴木淳に代えた。これまでなら2トップの布陣にして、点を取りにいこうと勝負に出たはず。だが、布陣を維持したまま、小川ではなく町野を投入。森保監督らしさを欠く消極的な采配に映った。

監督が掲げる「いい守備からいい攻撃に」という理念は、守備が前提の形。ところが、ブラジル戦では、GK鈴木彩や冨安ら世界トップクラスの守備陣がいても、前線に起点はなく、攻撃に移る形はつくれなかった。

日本が誇る組織力を生かしたプレスや、素早い帰陣は、今後も磨き上げるべき武器だ。問われるのは、その生かし方。ブラジルが見せたように、ボールを支配して押し込み、敵陣で回収していくスタイルこそ、日本が目指す「最高の景色」へ向けて突き詰めていく必要があるのではないか。

くしくも堅守速攻の形でドイツ、スペインを破った前回大会と同じ戦いを強いられ、通用しない限界が見えたブラジル戦。日本が突き抜けるには、戦術の転換が迫られる。

【時事通信社】 〔写真説明〕ブラジルに敗れ肩を落とす日本の選手。中央は森保監督=6月29日、米ヒューストン 〔写真説明〕ブラジルに敗れて悔しがる日本の選手。右から2人目は田中、右端は長友。中央は森保監督=6月29日、米ヒューストン

2026年07月02日 07時10分


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