
渇望する横綱昇進後初となる賜杯獲得に向けて、ここで立ち止まるわけにはいかない。そう言わんばかりの相撲ぶりで豊昇龍は連敗せずに、美ノ海を退けた。「集中してやった」。短い言葉に充実感をにじませた。
美ノ海に取られた前まわしを素早く切る。激しい突きで体を起こし、抵抗する相手を左から突き落とした。土俵下で見守った九重審判長(元大関千代大海)は「スピードで翻弄(ほんろう)した。力の日、技の日、タイミングの日とあっていい。それが豊昇龍」と評した。
3日目に藤ノ川に屈して初黒星。それでも師匠の立浪親方(元小結旭豊)は「苦手(な相手)に早く勝負をつけようと焦りはあったが、相手を褒めるべきだ」と悲観せず。豊昇龍も「気にしない。終わったことは終わったこと」と切り替えた。
この日は火災報知器が作動し、横綱土俵入りの際に館内に音が鳴り響くアクシデントに見舞われた。「ちょっと嫌だった」と言うものの、その雑念を取組には持ち込まなかった。「あしたのことだけを考えている」。もう一人の横綱大の里が早くも3敗目を喫する中、番付の重みを示したいところだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕豊昇龍(左)は美ノ海を突き落としで下す=15日、愛知・IGアリーナ
2026年07月15日 20時40分