
横綱の威厳を示すような内容ではなかったかもしれない。それでも、休場明けの豊昇龍にとっては白星が何よりの良薬。新小結の美ノ海を退け、「ちょっとほっとした。いい相撲ではないが、何より勝ててよかった」と安堵(あんど)した。
途中休場した7月の名古屋場所後に右膝の手術を受けた影響もあり、翌秋場所は初めての全休。10月の秋巡業に途中から合流した後、博多の土俵での復帰に向けて精力的な出稽古で鍛錬を積んだ。
攻めをしのぎ、いなして泳がせると向き直った美ノ海を押し出した。持ち前の対応力を見せ、「緊張した」と率直な思いも。八角理事長(元横綱北勝海)は「反応はまだまだ。勝っていけば、だんだん良くなる」と期待を寄せた。
横綱は11場所目になる。最高位での優勝はまだない。師匠の立浪親方(元小結旭豊)は「それは本人が一番思っていること」と心中を察する。一時は責任感から不眠症に悩まされた弟子に基礎運動の徹底を求め、「表情は明るくなった」と言う。
自信を取り戻し、底力を示せるか。豊昇龍は「ファンに元気な姿を見せる」と誓った。
【時事通信社】
〔写真説明〕豊昇龍(左)は美ノ海を押し出しで下す=8日、福岡国際センター
2026年11月08日 20時35分