【ワシントン時事】6日公表された10月の米雇用統計では、景気の先行きを占う手掛かりとなる非農業部門就業者数の伸びが急加速した。失業率も改善し、労働市場は「健全さ」(金融大手)を維持。米イラン紛争に伴うエネルギー高や、人工知能(AI)ブームによる広範なインフレ圧力が懸念される中、連邦準備制度理事会(FRB)は物価安定の実現を優先し、12月の金融政策会合で2会合ぶりの利上げに踏み切る公算が大きい。
10月の就業者数は前月比16万5000人増と、予想の2倍強。法務といった専門サービスが全体をけん引し、トランプ大統領が再興を目指す製造業など幅広い分野で堅調だった。失業率も4.1%と前月から0.1ポイント下がり、8月と9月の就業者数は大幅に上方修正された。
FRBが追加引き締めを断行しても雇用安定に支障を来さないと見込まれており、市場では「12月は追加利上げになる可能性が高い」(別の金融大手)との見方が支配的だ。
FRBにとって最も厄介なのは、AI投資活発化によるインフレ高進リスクだ。エネルギー高の影響はいずれかの時点で収まるとみられるが、AI普及に欠かせないデータセンター投資に起因した半導体の需要増は幅広い品目の価格を押し上げ、一過性に終わらないとの観測も浮上。FRB内で、インフレ退治が後手に回らぬよう「より頻繁で小幅な政策調整」(高官)を求める声もある。
一方、3日の中間選挙で上下両院を奪還した民主党はAI規制強化に向けた法案を提出すると取り沙汰されている。だが、AI開発を重視するトランプ氏はこうした法案に拒否権を発動する構えで、関連投資がすぐに冷え込む気配はない。インフレが沈静化せず、年明け以降も利上げが続く可能性を排除できない情勢だ。
【時事通信社】
2026年11月08日 07時01分
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