【ニューヨーク時事】プロ野球阪神で主力投手として活躍し、沢村賞も受賞したジーン・バッキーさんが14日、米ルイジアナ州で死去した。82歳だった。米メディアによると、腹部の動脈瘤(りゅう)手術後に合併症を併発した。
米ルイジアナ州生まれ。大学卒業後、ハワイ州の3Aでプレーしたが解雇され、1962年にテストを受けて阪神入団。64年に29勝(9敗)を挙げてリーグ優勝に貢献し、最多勝利と最優秀防御率(1.89)のタイトルを獲得。外国人初の沢村賞に輝いた。
長身と指のしなやかさを生かした変化球で打者の胸元を突き、村山実らとともに王貞治、長嶋茂雄を擁する巨人を苦しめた。65年6月28日の巨人戦(甲子園)ではノーヒットノーランを達成した。
68年の巨人戦で起きた乱闘騒ぎで右手を負傷して力が落ち、69年に近鉄移籍。0勝7敗に終わって同年引退した。8年間で100勝80敗。
80年代の強打者ランディ・バースと並び、球団史に大きな足跡を残した外国人選手。陽気な笑顔が「バッキースマイル」と呼ばれて親しまれた。引退後は米国で教師や牧場経営をしていた。2018年11月に発足した日本プロ野球外国人OB選手会では名誉会長を務めていた。
【時事通信社】
〔写真説明〕プロ野球オールスターゲームの記念試合、OBオールスターゲーム・全パ―全セ戦で投球する元阪神のジーン・バッキーさん=1984年7月、後楽園球場
2019年09月15日 10時44分