警察庁は5日、2024年のストーカー規制法違反の検挙数が前年比260件(24.1%)増の1341件で過去最多を更新したと発表した。同法に基づく禁止命令は初めて2000件を超えた。
ストーカー事案では、川崎市で被害を訴えていた女性が遺体で発見され、元交際相手の男が死体遺棄罪などで起訴された事件があり、神奈川県警が対応に問題がなかったか検証を進めている。警察庁は「被害相談は高い水準で推移している。検証結果も踏まえ、制度や運用面の課題を検討したい」としている。
全国の警察に寄せられたストーカー被害の相談件数は、前年からほぼ横ばいの1万9567件。付きまといなどを禁じる禁止命令は23.0%増の2415件で、うち6割は緊迫性が高い場合に出す緊急禁止命令だった。
命令を守らなかったとして規制法違反で検挙した件数は233件に上った。16年の法改正で警告を経ず命令を出せるようになった影響もあり、警告は55件減の1479件だった。
再びストーカー行為を繰り返した検挙例も全体の8%程度あったといい、警察庁は再発や事態悪化を未然に防ぐため、近況把握や医療機関の紹介など加害者への働き掛けを進める方針だ。
【時事通信社】
〔写真説明〕警察庁=東京都千代田区
2025年06月05日 12時55分