【ボストン時事】米東部マサチューセッツ州のボストン大で18日、独創的でユーモラスな研究を表彰する「イグ・ノーベル賞」の授賞式が行われ、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)畜産研究部門の兒嶋朋貴研究員らのグループが「生物学賞」を受賞した。研究グループは、牛を「シマウマ模様」に塗って「シマウシ」にすることでアブなどの吸血昆虫を呼び寄せづらくなることを発見した。日本人の受賞は19年連続。
この研究では、黒い牛に白い水性塗料でしま模様を描き、通常の黒い牛と比べて寄ってくる虫の数や牛の忌避行動を比較。効果が塗料の臭いなどの影響でないことを証明するため、黒い塗料で模様を描いた牛も用意した。結果、白い模様の牛は他の2パターンに比べて寄ってくる吸血昆虫が約半分になることを発見。2019年に論文を発表した。しま模様が虫よけの効果を発揮するメカニズムについては完全には解明されていないという。
【時事通信社】
〔写真説明〕18日、米東部マサチューセッツ州のボストン大で、イグ・ノーベル賞の受賞スピーチを行う農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)畜産研究部門の兒嶋朋貴研究員(中央)
〔写真説明〕実験のため白いしま模様に塗られた牛=兒嶋朋貴研究員らの論文より
2025年09月19日 08時50分