石破茂首相は24日午前(米東部時間23日夜)、米ニューヨークで開催中の国連総会で一般討論演説に臨む。戦後80年の日本の歩みを振り返り、「世界から求められる日本」であり続けたいと表明。中東情勢も取り上げ、イスラエルがパレスチナとの「2国家解決」への道を閉ざす行動に出れば、「新たな対応」を取ると警告する。
退陣を表明した首相にとっては多国間外交を締めくくる訪問となる。首相は23日午前、政府専用機で羽田空港を出発。これに先立ち、首相公邸で記者団に「国連創設80年の節目だ。演説で安全保障理事会改革、核軍縮・不拡散、地球規模課題などについて、日本の考え方を明確に述べたい」と狙いを説明した。
演説は首相が退陣前の公表に意欲を示す戦後80年見解も念頭に置いたものだ。戦後80年間、日本は「アジアの寛容の精神」に支えられ、世界の恒久平和に尽力してきたと強調。「分断より連帯、対立より寛容を」と呼び掛ける。「核戦争のない世界」を維持するため、米国の核抑止力を重視する立場を説明しつつ、唯一の戦争被爆国として被爆の実相発信に努める考えも示す。
「核兵器なき世界」に真っ向から挑戦するのが北朝鮮だと非難し、拉致・核・ミサイル問題を包括的に解決する方針も強調する。
【時事通信社】
〔写真説明〕訪米を前に記者団の質問に答える石破茂首相=23日午前、首相公邸
2025年09月24日 04時19分