経済対策、野党連携で論戦=高市氏「壁引き上げ賛成」―自民総裁候補が討論会・日本記者クラブ



自民党総裁選(10月4日投開票)に立候補した5氏は24日、東京都内で日本記者クラブ主催の討論会に出席し、物価高対策を含む経済政策を中心に論戦を交わした。全候補が自公連立政権の枠組み拡大に前向きな姿勢を示しており、野党との連携をにらんだ主張を展開した。

高市早苗前経済安全保障担当相(64)は国民民主党が求める所得税の課税最低ライン「年収の壁」の引き上げについて「賛成だ」と明言。小泉進次郎農林水産相(44)も「国民民主を含め協議する」と強調した。

林芳正官房長官(64)は与党が参院選で公約した2万円給付に関し「固執するつもりはないが、約束したことをベースにする」と述べ、修正の上で実施を目指すと表明。自公と立憲民主党は25日、「給付付き税額控除」導入に向けた協議を始める予定で、林氏はこの中で議論したい考えだ。

茂木敏充前幹事長(69)は野党との政策協議について「党によって政策の優先順位は違う。見極めながら進めたい」と語った。茂木氏は先に日本維新の会や国民民主を例示し、連立拡大を目指す考えを示している。小林鷹之元経済安保相(50)は所得税の定率減税を実施する方針を改めて唱えた。

一方、野党側が求める消費税減税を巡っては、茂木氏が「時間がかかる」と否定的な見解を示した。小泉、高市両氏は「排除しない」などと述べつつ、早期に実行できる物価高対策を優先させると訴えた。

連立拡大について、小泉氏は「一つの選択肢だ。信頼関係を構築した先にある」と説明。高市氏は「一刻も早く枠組みをつくる」と重ねて強調した。高市氏は臨時国会での首相指名選挙までの実現へ努力する考えを表明している。

小林氏は、拙速な「数合わせ」は避けるべきだと主張。林氏は野党との政策協議と並行して連立交渉を進める考えを示した。茂木氏は競合する選挙区の調整について「必ずしもそれがなければ連立ができない、ということではない」と語った。

高市氏は首相に就任した場合の靖国神社参拝について「適切に判断する」と述べ、明言を避けた。小泉氏は選択的夫婦別姓制度の導入について、与野党の議論が収束していないとして、後回しにせざるを得ないとの考えを示した。

【時事通信社】 〔写真説明〕日本記者クラブ主催の討論会でボードを掲げる自民党総裁選候補者の(写真上から)小林鷹之元経済安全保障担当相、茂木敏充前幹事長、林芳正官房長官、高市早苗前経済安保相、小泉進次郎農林水産相=24日午後、東京都千代田区 〔写真説明〕自民党総裁選候補者の討論会に出席した(左から)小林鷹之元経済安全保障担当相、茂木敏充前幹事長、林芳正官房長官、高市早苗前経済安保相、小泉進次郎農林水産相=24日午後、東京都千代田区の日本記者クラブ

2025年09月25日 07時54分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース