米政府閉鎖、4週目に=再開のめど立たず―迫る医療負担急増



【シャーロッツビル(米南部バージニア州)時事】米政府機関の一部閉鎖が22日、4週目に突入した。来年秋の中間選挙を控え、医療関連予算を巡って激しく対立する与野党に歩み寄る機運はなく、つなぎ予算案の上院での否決は11回を数えた。予算切れで今月1日から続く政府閉鎖に解消の兆しは見えない。

「(政府閉鎖で)100万人超の連邦政府職員に給料が支払われていない。野党民主党の責任だ」。トランプ大統領は21日、ホワイトハウスでの演説で、閉鎖を民主党のせいにした。

与党共和党主導のつなぎ予算案は先月、下院で可決した。上院通過には議事妨害(フィリバスター)阻止で民主党の協力が不可欠だが、同党は年末に失効する医療保険制度(オバマケア)の補助延長を予算案に含めるよう要求。これに対しトランプ氏は、「彼らが政府を再開したら、すぐに会いたい」と、予算成立後に補助延長について交渉するとの立場を崩さず、手詰まり状態だ。

こうした中、医療保険補助停止による利用者の負担急増の時が刻々と迫っている。東部メーン州当局は来年1月からの保険料について、補助停止の可能性も踏まえ、個人の場合は平均23.9%引き上げることを承認した。

民主党は中間選挙に向け、トランプ政権下での「医療危機」(下院トップのジェフリーズ院内総務)を訴えていく構えだ。大型減税の財源として削られた低所得者向け医療支援の関連支出の復活も、つなぎ予算案で目指している。

「医療保険料を倍にする共和党の法案は全く役に立たない」。次期大統領選で民主党の有力候補の一人とされるブティジェッジ前運輸長官が21日、南部バージニア州シャーロッツビルで行われた同州知事選候補者の集会で訴えると、聴衆から賛同の声が湧き起こった。来月行われる知事選は、中間選挙の前哨戦だ。

聴衆からは「医療が手頃な価格で提供されるかを心配している」(63歳の女性)と、医療への不安が多く聞かれた。シャーロッツビルの病院に勤める看護師のジェイコブさん(29)はトランプ政権の医療予算削減で「地方の病院は大打撃を受ける」と懸念を募らせていた。

【時事通信社】 〔写真説明〕演説するブティジェッジ前米運輸長官=21日、米南部バージニア州シャーロッツビル

2025年10月23日 07時05分


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