財務省が22日発表した2025年度上半期(4~9月)の貿易統計速報(通関ベース)によると、米国向け輸出額は前年同期比10.2%減の9兆7115億円だった。半期ベースでは9期ぶりに減少に転じた。トランプ米政権による高関税政策が影響し、自動車が大きく落ち込んだ。
自動車は輸出額が22.7%減の2兆3890億円だった。台数ベースでは2.4%の減少。関税による米国内での販売価格の上昇を抑えるため、各メーカーが関税分を自社で負担している可能性がある。
米国は4月から輸入車への追加関税の適用を開始。日米合意を経て9月に税率は引き下げられた。
世界全体でみると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆2238億円の赤字だった。半期ベースでは9期連続の赤字。輸出額は0.2%増の53兆6533億円。半導体等電子部品は増えたものの、自動車は6.7%減少した。輸入額は原油や石炭が減り、3.2%減の54兆8771億円だった。
同時に発表された9月の貿易収支は2346億円の赤字だった。赤字は3カ月連続。米国向け輸出額は13.3%減少した。
【時事通信社】
〔写真説明〕青海コンテナ埠頭=8月20日、東京都江東区
2025年10月22日 13時30分