
防衛省統合幕僚監部は10日までに、中国軍の爆撃機2機とロシア軍の爆撃機2機が9日、東シナ海から四国沖の太平洋にかけて長距離の共同飛行を行ったと発表した。中国海軍の空母が太平洋に展開する中での共同飛行と、四国沖での実施はいずれも初めて。
木原稔官房長官は10日の記者会見で「わが国に対する示威行動と捉えざるを得ない」と批判。今回の共同飛行を含め、中ロが日本周辺で共同軍事活動を活発化させていると指摘し、外交ルートを通じて両国に対し「安全保障上の重大な懸念」を伝えたことを明らかにした。
同省によると、共同飛行は9日午前から午後に行われ、東シナ海上空で中国軍のH6爆撃機2機が、ロシア軍のTU95爆撃機2機と合流。4機は沖縄本島―宮古島間を抜け、四国沖の太平洋上空で折り返し、再び東シナ海へ戻った。
途中、中国軍のJ16戦闘機も合流するなどしており、両軍合わせて15機が一連の活動に参加した。航空自衛隊のF15戦闘機が、緊急発進(スクランブル)して対応。領空侵犯などはなかった。
【時事通信社】
〔写真説明〕中国軍のJ16戦闘機(左)と共同飛行するロシア軍のTU95爆撃機=9日(防衛省提供)
〔写真説明〕記者会見する木原稔官房長官=10日、首相官邸
2025年12月10日 17時20分