がんパネル検査、治療到達8%=遺伝子異常、発見は7割超―5万人解析・国立センターなど



がん細胞の遺伝子変化を調べる「がん遺伝子パネル検査」について、国立がん研究センターなどの研究グループは8日、患者約5万4000人分のデータを解析した結果、治療の標的となる遺伝子異常が72.7%で見つかり、治療を受けた患者では生存期間が長い傾向も確認されたと発表した。

ただ、実際に検査結果に基づく治療につながった患者は8.0%にとどまった。欧米など海外で一般に使われているがん治療薬が日本で使えない「ドラッグロス」などが背景にあるといい、治療に結び付ける難しさが浮き彫りになった。

パネル検査は、有効な治療法の選択肢が限られる患者などを対象に保険診療で実施される。血液やがん組織からDNAを取り出し、数十~数百種類の遺伝子変異を解析し、専門家会議が結果を検討した上で、主治医に治療法の選択肢を助言する。

研究グループが解析したのは、2019年6月~24年6月にパネル検査を受けた固形がん患者約5万4000人のデータ。治療につながった患者は5年間では8.0%だったが、19~20年の5.5%から、23~24年は10.0%まで増加した。

がん種別では、甲状腺がんでは34.8%、非小細胞肺がんで20.3%と高かった一方、膵(すい)がんや肝臓がんでは1%台だった。

治療を受けた患者では、国内で承認された薬剤を用いたケースが最も効果が高かった。保険診療と併用できる「患者申出療養制度」や臨床試験を通じて未承認薬などを使用した場合でも、比較的良好な結果が確認された。

同センター研究所の片岡圭亮氏は「治療につながった患者は5~6年前より改善しており、今後も伸びる可能性がある」と話している。

論文は国際科学誌の電子版に掲載された。

【時事通信社】

2026年01月09日 07時07分

society


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース