「経済か基地か」早くも火花=沖縄・名護市長選、18日告示



政府が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設工事を進める同県名護市で18日、市長選が告示される。自民党が支援する現職は高市政権とのパイプを生かした経済振興を掲げ、基地問題で政府と対峙(たいじ)する「オール沖縄」勢力が後押しする新人は移設工事阻止を訴える。25日の投開票の結果は9月の任期満了に伴う沖縄県知事選の試金石となりそうだ。

3選を目指す現職の渡具知武豊氏(64)=自民、国民民主、公明各党推薦=は政府の「米軍再編交付金」を活用した子ども医療費や給食費の無償化継続を公約。市内の辺野古沿岸部で進む移設工事については「なすべきことは市民の不安払拭だ」と述べるにとどめ、賛否を明確にしていない。

これに対し、元市議の翁長久美子氏(69)=立憲民主、共産、社民各党推薦=は「平和で住みやすい街づくり」を掲げ、移設を巡る賛否を曖昧にする渡具知氏を批判。米軍再編交付金は不要だと主張している。学習塾経営の伊波勝也氏(66)も立候補を予定する。

自民とオール沖縄がそれぞれ見据えるのは「天王山」と位置付ける知事選だ。12年ぶりの県政奪還を目指す自民、近年の退潮をはね返したいオール沖縄とも前哨戦となる名護市長選のてこ入れに力を入れ、早くも火花を散らしている。

小泉進次郎防衛相は7日、渡具知氏と那覇市で会談し、騒音が問題となっている市内の米軍ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の閉鎖を検討していると伝えた。渡具知氏の下での基地負担軽減をアピールするのが狙いだ。自民県連関係者は「地元経済も最近は潤っている」と自信をのぞかせる。

玉城デニー知事は昨年12月、翁長氏の応援のため名護市に入り、「新基地の予算を県民のために回すよう政府に訴えていく」と強調した。ただ、移設工事は着工から7年が経過し、既成事実化が着々と進む。翁長氏は移設反対一辺倒では限界があるとみて福祉施策拡充の訴えにも力を入れるが、陣営関係者は「主張の柱が定まらない」とこぼす。

【時事通信社】 〔写真説明〕沖縄県名護市長選に立候補し政策を発表する元同市議の翁長久美子氏(写真左)と渡具知武豊市長=2025年12月、同市

2026年01月12日 07時03分


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