
次期衆院選は、公明党が連立離脱に伴い自民党との選挙協力を「白紙」としてから初めて行われる。各選挙区で1万~2万票といわれる「公明票」が勝敗のカギを握る可能性があり、自民は支援継続を期待し、立憲民主党も熱い視線を送る。一方、日本維新の会は自民との候補者調整に否定的で、60選挙区程度で与党同士が激突する可能性がある。
「活動量を増やせば公明票の4割はうちに来る。逆に言うと、それくらい活動しなければ駄目だ」。自民幹部は取材に危機感をあらわにした。
自民はこれまで「比例代表は公明に」と訴える代わりに、選挙区で手厚いサポートを受けてきた。公明が立民支持に回れば、選挙基盤の弱い議員を中心に大きな影響を受ける。東北ブロック選出の若手は、昨年末に公明の地方議員と懇談会を開いた。関係者は「応援を期待している。公明票がなければ大変だけど、今から考えても仕方ない」と漏らした。
党勢回復への道筋が見えない立民は、公明の取り込みに躍起だ。党是とも言える安全保障関連法の「違憲部分の廃止」を、党内の異論を押し切ってでも転換する方針。公明は与党として関連法に賛成した経緯がある。野田佳彦代表は5日のBS11番組で、「同じ中道勢力という結集軸に取り込まなければならない」と力を込めた。
289ある小選挙区のうち、2024年の前回衆院選で自民が勝利したのは132、立民は104。自民関係者は「公明が立民を支援すると、自民が2割減り立民が2割増える」との見方を示す。
ただ、公明関係者は「地方組織が弱い立民と共闘しても、比例票は増えない」と慎重姿勢。ある重鎮は「誰を応援するか、うちはフリーハンドだ」と語った。公明は前回、小選挙区に11人を擁立したが4勝と惨敗。小選挙区からの撤退論が上がっており、今月中旬にも党内で協議する予定だ。
自民と維新は64選挙区で競合し、うち12は現職同士だ。自民は維新の藤田文武共同代表の大阪12区に新人を擁立。滋賀1区は自民の大岡敏孝氏と維新の斎藤アレックス政調会長がぶつかる。
自民の一部には「候補者調整を検討すべきだ」(幹部)との意見も出ているが、ある競合区の関係者は「『維新に譲れ』と言われても引かない。無所属でも出馬する」と明言。維新ベテランは「有権者は統一候補なんて求めていない。各党の都合で調整なんて失礼だ」と語った。
高市早苗首相(自民党総裁)が連立入りを期待する国民民主党は、玉木雄一郎代表が51議席を目標に掲げる。積極擁立の構えで、候補者調整には否定的だ。既に自民との競合区は34、維新は2。自維国の3候補がそろう選挙区が12あり、東京17区と兵庫3区の3党の候補はいずれも現職だ。
【時事通信社】
〔写真説明〕那覇市内であいさつする公明党の斉藤鉄夫代表=9日
2026年01月11日 07時06分