
衆院選の投開票を控え、生成AI(人工知能)で作られた写真や動画がSNSで広がっている。技術の向上で、実写かどうかの見分けが難しい投稿も多く、専門家は偽情報を拡大させないために法的規制を含めたルールが必要と指摘する。
X(旧ツイッター)では先月28日、路上でマイクを向けられた高齢女性が高市早苗首相について、「早苗ちゃんの演説見たか。わしは胸が熱くなったわ」などと語る動画が投稿された。今月5日時点で185万回以上閲覧された。
動画はユーチューブから転載されたものとみられる。もともとは「AI動画」「フィクション」との説明があったが、Xの投稿文には言及がなかった。投稿に対し「AIではないか」「フェイク動画でデマを流す行為」との指摘がある一方、「目頭が熱くなった」などのコメントもあった。
政見放送をAIで改ざんした動画もXで出回った。中道改革連合の野田佳彦、斉藤鉄夫両共同代表が声を合わせて投票を呼び掛ける場面が、2人が演台を倒して扇子を片手に踊り出す内容に変わっていた。
日本ファクトチェックセンターの古田大輔編集長は「生成AIの機能が進化し、状況が大きく変わってきた」と話す。見分ける方法として、AIが作成したことを示すロゴや発信元の確認、公的機関が出す関連情報と比較することなどを挙げ、「ネットには誤情報が山ほどあると認識することが大事だ」と呼び掛ける。
ただ、悪質な改ざんも多く、「ファクトチェックも追い付かない」と危機感を募らせる。「これ以上悪影響を広げないためにも、法的な規制を含めた何らかのルール設定が必要だ」と話した。
【時事通信社】
〔写真説明〕生成AI(人工知能)技術で作られた偽動画
2026年02月06日 20時33分